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屋根に積もった雪

屋根融雪(ルーフヒーティングとも呼ばれる)ものの中にはたくさんの種類(融雪方式)があります。

  • 水道水散水方式
  • 地下水散水方式
  • 電気ヒーター式
  • 屋根裏施工方式
  • 屋根下施工方式
  • 屋根表面施工方式

主だった屋根融雪システムはこのどれかになりますが、屋根融雪は販売メーカー、設置地域によってさまざまと思いますが、どれも100万円以上かかると思っていただいていい高額な工事となります。

結局どれがいいのか、一般のお客様にはわかりにくいところがありますので、それぞれの装置の特徴を紹介していきたいと思います。

水道水散水方式

積もった雪は水をかけるだけですぐにシャーベット状態となり、雪の質量を減らせます。しかし、スノーダクト屋根や陸屋根の場合はきっちり溶かしきらないと水を含んだ雪が凍結し、逆に雪が減ったように見えても重量が増えているということになる可能性もあります。
一度使ったら確実に雪を溶かしきることを念頭に置いて使用しなければなりません。また配管工事が必要なため、住宅の屋根部分に配管を回すこととなり、住宅の美観を若干ですが損ねるというデメリットもあることを覚えておきましょう。

  • 施工
    塩ビライニング鋼管での施工となり、配管内の水抜けが悪い場合は、配管内で凍結し、使いたいときに使えないということが起きる可能性あり。傾斜屋根でこの方式を使う場合は軒下は水だらけとなるので、事前に水処理対策が必要。工期は比較的短くて済む(通常2~3日程度)
  • 融雪能力
    雪をためてからでは融雪に時間がかかるので、こまめに溶かす方が効率がよい。スノーダクト屋根の場合は排水管にゴミ等がつまり、凍結する可能性があるので、冬になるまえにダクト配管清掃等必要。傾斜屋根でこの方式を使う場合は軒下は水だらけとなるので、事前に水処理対策が必須。
  • メンテナンス
    ほとんどメンテナンスは必要ない。(メンテナンスをする所がない)
  • 設置料金
    屋根融雪としては比較的安価。よほどのことがない限り100万円を超えることはない。
  • ランニングコスト
    使用した分、上下水道代がかかる。使用時間によって異なるが、高額なランニングコストになる可能性あり
  • 美観(外観)
    配管を住宅屋根周辺に設置しなければならず、若干ではあるが美観を損ねる。
  • 耐久性
    常に配管類が外でさらされることになるので、ライニング鋼管は錆びが発生しやすい。特に配管内のさびに気を付けたい。

地下水散水方式

水道水散水方式と同じで屋根融雪としては比較的安価で施工できる方法。地下水くみ上げ用のポンプなども必要となるため、施工費が水道水散水方式よりも高額となります。また地下からくみ上げた水は多くの鉄分を含んでいる場合が多く、屋根板金等を早く腐食させる原因ともなります。配管方法は水道水散水方式とほぼ同じで若干ですが美観を損ねる点が残念なところです。

  • 施工
    水道水散水方式と同じく塩ビライニング鋼管での施工となり、配管内の水抜けが悪い場合は、配管内で凍結し、使いたいときに使えないということが起きる可能性あり。工期は通常2~3日程度
  • 融雪能力
    水道水散水方式よりも水温が若干ではあるが高温であることが多く、融雪に優れている。スノーダクト屋根の場合は雨水配管のゴミつまりが原因で、入口付近で凍結する可能性があるので、シーズン始まる前に清掃が必要。また傾斜屋根でこの方式を使う場合は軒下は水だらけとなるので、事前に水処理対策が必要。
  • メンテナンス
    ほとんどメンテナンスは必要ない。鉄分を含んだ水を散水する可能性が高いため、シャワー配管等にゴミが詰まっていないかシーズン初めに確認する必要あり。
  • 設置料金
    屋根融雪としては比較的安価。よほどのことがない限り100万円を超えることはない。
  • ランニングコスト
    上下水道代がかからない。家計に一番エコな屋根融雪装置。かかるのは地下水くみ上げの電気代のみ。
  • 美観(外観)
    配管を住宅屋根周辺に設置しなければならず、住宅の外観を若干ではあるが損ねる。
  • 耐久性
    常に配管類が外でさらされることになるので、ライニング鋼管は錆びが比較的発生しやすい。特に配管内のさびに気を付けたい。

電気ヒーター式

この方式はランニングコストがかかる割に融雪に向かない商品として業界内では有名。小面積の場合は低コストで施工ができるのでお勧めですが、できれば避けたい融雪方式です。

  • 施工
    ゴムマット方式はテープヒーター方式など仕様はさまざま。小さな面積の屋根融雪には適している。
  • 融雪能力
    恐らくどの融雪装置よりも溶けが悪い商品。溶けた部分がかまくらのような状態となり、場合によっては人の手で雪を踏むなどしなければならない可能性あり。
  • メンテナンス
    電気ヒーター部分は専門業者でのみ修理可能。ユーザー側ではメンテナンスできない。
  • ランニングコスト
    小面積であれば低ランニングコストだが、大面積になると溶けない割に驚くほど高額なランニングコストとなる。
  • 美観(外観)
    見た目にはほとんどわからないくらいのもの。美観を損なうことはない。
  • 耐久性
    荒っぽい使い方さえしなければ耐久性はそれなりにある。通常の電化製品と同レベルと考えていい。

屋根裏施工方式

暖房ボイラーで温めた不凍液を屋根裏の配管に通し、直接下から温める方式。寒冷地の屋根(北海道など)では屋根下に断熱材が入っている場合もあり、必ず施工できる方式ではありません。雪が降る地区でも比較的暖かい地方で施工可能な方式です。熱伝導する部分が少なるなりがちな点からも寒冷地には向かない方式と言えます。

  • 施工
    屋根裏での施工となるので、1週間以上の工期がかかる。また状況により内装工事等必要になる場合あり。
  • 融雪能力
    北海道などの寒冷地では融雪時間がかかる。比較的暖かい地域に限った施工方法。
  • メンテナンス
    パイプ類は樹脂管等を使用するので、メンテナンスの必要なし、ただし、不凍液を回して溶かすので、配管内のエア抜きが原因で溶けにくくなる可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要。
  • 設置料金
    設備両機が高額になる。場合によっては天井を壊し、下から配管しなければいけないので、大工工事、内装工事なども発生する可能性あり。
  • ランニングコスト
    電気ボイラー、灯油ボイラー、ガスボイラーと熱源を自由に選ぶことができる。しかし、どの熱源にしても比較的高額になる。
  • 美観(外観)
    住宅屋根の裏での配管となるため、美観を損なわないが、ボイラー設置スペースを確保しなければならない。美観を損なうところはその点のみ。
  • 耐久性
    樹脂管の耐久性は50年から100年と言われており。日光にさえ当たらなければ漏水等も問題はあまりない。継手類から不凍液漏れする可能性はあるため、定期的にチェックしたい。

屋根隠ぺい施工方式

暖房ボイラーで温めた不凍液を屋根上に配管し、その上から屋根板金を直接施工する方式。屋根板金更新するときに同時に施工すると設置コストを抑えられます。この方式は平成ルーフ葺きなど長尺屋根に対して有効なので、横葺き屋根や瓦屋根には向かない施工方法となっています。
またこの方式にはPTCヒーターを利用したものも存在します。電気タイプなのでメンテナンスフリーなのですが、ランニングコストが割高となります。

  • 施工
    大掛かりな大工工事、板金工事が必要となり、費用が高額、工期は2週間程度は最低かかる。基本屋根上配管は樹脂管を使用するため、板金業者のくぎ打ち時のパイプ穴あけに注意したい。
  • 融雪能力
    降ってきた雪をすぐに溶かす強力な融雪能力で、屋根融雪装置では最高レベルと言えます。
  • メンテナンス
    屋根の下に樹脂管を通し配管施工、その上に屋根の板金を施工する融雪方式なので、基本暖房ボイラーの配管エア抜きしかメンテナンスをする部分がありません。
  • 設置料金
    板金工事も含まれるため、面積によって異なりますが、200万円超えになることは間違いないでしょう。
  • ランニングコスト
    雪の降り方によっても異なりますが、比較的効果になりがちです。
  • 美観(外観)
    屋根の表面にパイプや金具等露出しないため、美観を損ないません。
  • 耐久性
    紫外線に当たるところがないのでパイプの劣化はほぼなし。ボイラー廻りの継手類からの漏水と配管内のエア抜きを注視しておけば長く使える商品です。

屋根表面施工方式

暖房ボイラーで温めた不凍液が入ったパイプを屋根上に配管し、屋根の表面に金具等取付、直接施工することにより、板金工事、内装工事、大工工事など、大掛かりな設置費用を掛けず施工できることで一般的になりつつある施工方式。
大きく美観を損ねないものもあります。ほとんどの会社がオリジナルの施工方法、部材を使用しているため、メーカーの設計により融雪能力は異なります。

  • メンテナンス
    屋根表面のパイプ類からの不凍液漏れ、金具のゆるみなどの定期的チェックが必要。特に使え控えしている住宅では屋根にためた雪により、金具類のゆるみが発生しているところが多いので、定期的なメンテナンスは必要。
  • 設置料金
    使っている材料等によってさまざま。高価なメーカーもあれば比較的安価なメーカーもありますので、見積比較が必要。
  • ランニングコスト
    屋根隠ぺい方式とほぼ同じランニングコストとなる。比較的高価。
  • 美観(外観)
    屋根表面への施工となるので美観を若干損なう。しかし、屋根上なので極端に損なうことはない。
  • 耐久性
    施工するメーカーにより使う配管がまちまちなので耐久性に差がある。紫外線対策を施し、また紫外線に強いパイプ類を使うことで耐久性は飛躍的に向上する。

総評

雪は気温、地区などにより雪の降り方、雪質などが異なります。地区によっていろいろな施工方法があり、メーカーの融雪技術が問われる商品が屋根融雪です。
また溶かした後の水処理についても重要で、転倒などのけがの原因にもなるので考えなければなりません。一見簡単なように感じる屋根の融雪装置ですが、とても奥が深い商品です。メーカーによっては屋根上に穴をあけて固定する商品もあるようですが、屋根上に穴をあけるとそこから雨漏れの発生する可能性がありますので、できるだけそのような商品は避けるべきです。
自分で納得できる屋根融雪装置に出会えるといいですね。

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